歯周病
歯周病は生活習慣病です
歯周病とは、歯ぐきと歯の間にある隙間に細菌が入り込み、炎症を起こす病気です。歯磨きの際に歯ぐきから血が出るのも、歯周病が進んでいる証拠である可能性があります。歯ぐきに症状が起こりますが、最終的には健康な歯を損なう原因になる病気でもあります。
その病態からすれば「感染症」ではあるのですが、生活習慣が深く関わる病気でもあります。「喫煙」「疲労とストレス」「間食(おやつ)の多さ」「良く噛んで食べない」といった習慣は、歯周病のリスクを高めてしまうのです。
歯の欠損と治療費
歯周病が進行すると、歯を支えている骨の部分が溶けてしまって、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
歯が失われてしまうと、インプラントやその他の歯の欠損を補う大掛かりな治療が必要になります。そうなると、治療期間も長くなり、結果的に治療費もたくさんかかってしまうのです。
歯周病やむし歯を予防するために定期検診に通っていただいた方が、結果的に治療費も時間も大幅に節約することができるのです。さらに、将来自分の歯が残る可能性が高くなり、快適な生活を送ることができます。
歯周病と糖尿病
歯周病は「糖尿病」と深いかかわりを持つ病気でもあります。まず、歯周病を患うことで、炎症を起こす物質が血液中に入り込み、血糖値をコントロールするホルモンの働きを妨げて糖尿病を悪化させます。逆に糖尿病は免疫力を低下させることで、感染症である歯周病を誘発します。
口が渇く
糖尿病で血糖値が高まると、水分で薄めて排出しようとします。当然ながら、口の中も乾いてしまいます。唾液が少なくなることで、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなります。
全身抵抗力の低下
糖尿病が進行することで免疫力が低下します。歯周病の原因となる細菌だけでなく、さまざまな細菌やウイルスの感染に対する抵抗力が低下してしまいます。
エネルギー不足
糖尿病によって糖分をエネルギーに変えることが難しくなると、筋肉のタンパク質や脂肪が分解されます。これによって歯周組織の修復力が弱くなり、歯周病が悪化します。
脂肪細胞の炎症
体に脂肪細胞が蓄積すると、そこで炎症物質が作られてしまいます。炎症を起こす病気である歯周病を悪化させる原因となります。
血管の障害
糖尿病によって血管に障害が発生すると、特に末梢組織の血流量が低下します。歯周組織も末梢組織であり、血流量の低下によって感染の抵抗力と組織の修復力が低下して歯周病を発症しやすくなり、悪化しやすくなります。
食後高血糖
歯周病が進行することで、歯がぐらついてきます。そうなると、人は「硬いもの」を避けて「柔らかいもの」ばかり食べるようになります。咀嚼の回数が低下することは食事による血糖値の急激な上昇を招きます。
当院でトータルケアを行いましょう
歯周病はゆっくりと進行し、なかなか初期症状を自覚できません。歯周病を予防し、歯を守るためには「定期検診」で歯周病にならないようにすることが大事です。また、生活習慣病や糖尿病は「体全体を見てトータルで予防していくこと」が重要です。当院では、複数の診療科との連携でそれが可能です。
チェック!かみ合わせの重要性
「かみ合わせ」が悪いと歯周病やむし歯にもなりやすく、その他にも体に様々な悪影響が及びます。「顎関節症になりやすい」「姿勢が悪くなる」「頭痛や肩こりの原因になる」「認知症になりやすい」など、さまざまな弊害が発生します。
むし歯や歯周病を予防することも重要なのですが、健康を維持するためにはかみ合わせの重要性についても理解しておきましょう。